人生の幸せを考えるときに、一番大切なことは何かと考えるときに頭に浮かんだのが、マリー・バンクス博士の人間の4つの要求です。 1番目は、「生きる欲求」、2番目は、「愛し、愛される欲求」、3番目は、「大切だと思われる欲求」、4番目は、「多様性を味わう欲求」です。
この中でも何が最も大事かというと、エニアグラムのタイプによって異なるかもしれませんが、タイプ2の私にとっては、2番目の「愛し、愛される欲求」が最も大切だと思います。 互いに本当に心から分かり合え、大切に思える存在がいること、また相手にとって自分がその存在であることが大切であり、特に、身近な人との愛情豊かな信頼関係をいかに築き続けるかが大事だと思っています。
しかし、一番身近な妻からは、「口だけね」と言われます。 「そんなことはない」と心の声が叫んでいますが、冷静に自分の行動をみつめれば、やるべき仕事のほうを優先しすぎていて、身近な妻への思いやりや配慮に欠けている自分がいることに気づきます。 娘からも色々と指摘を受けては、ムッとして反応している自分に気づきます。
「人間という存在のおかしなところは、最も多くの時間を過ごす最も親密な誰かが、最も癇に障る人物であることだ」(ラス・ハリス)とあるように、同じ言葉を発せられても、遠い存在からならばさほど気にならなくても、近くて愛情深い存在から発せられれば、深く心に刺さり、傷つき、反応的になってしまうものです。
その時の感情をみつめれば、第1次感情は、「自分のことをわかってもらえない寂しさ」の小さい火がマッチでつき、それの感情を満たすために、第2次感情(自己正当化・他者悪化)というガソリンに点火し、燃え上がり、さらに過去の話も出てきて、ダイナマイトに点火してしまうようになりがちです。
幸いに、私は「刺激・反応」の勉強や、エニアグラムのタイプと健全性の学びをしてきたために、以前よりはプレゼンス(いま、ここにある自分の心の状態)を感じることができているので、ガソリン点火には至りませんが、反応している自分、自己正当化している自分に気づきます。 そして、それをじっとみつめているうちに、第1次感情は治まってきます。
幸せな人生を生きるうえで最も大切なことは、「自分の反応を取り扱い、本当に心から望むものを選択する力」だと思います。 英語のResponsibility(責任)= Response(反応)+Ability(能力)。
つまり、自分の人生をよりよくするための「自分の責任」とは、人生で起きる出来事に対して、心から望む状態になるように 自動反応ではなく、「反応を選択する力」 をもって臨むことであると言えます。
次に、その「反応を選択する力」をどうやって成長させるかですが、「自分と他の人の第1次感情をみつめ寄り添うこと」ではないかと最近思うようになりました。
相手が2次感情で爆発していたとしても、それに自動反応で返すのではなく、相手の1次感情である、「大切にされていないと感じる寂しさや、何度言ってもわかってもらえない “もどかしさ” など」に気づき、寄り添い ・・・ わびる。 そして、どのようにしたらよいかを話し合い、実行していく。 自分の感情についても同じで、欲しくない感情が出てきたときに、それをみつめ、寄り添う。すると、感情はニュートラルになり、次に、ありたい状態をみつめ、選択していく。
人間である以上反応は避けられませんので、怒りの始まりの小さい感情の火をみつめることが大切だと思います。そして、何よりも愛する家族からの、自分への指摘への感謝と改善への誠実な実行が、自分の心理的柔軟性を高め、人間的成熟に繋がり、相手との信頼の絆を強くするのだと感じています。
昔、友人から、「人の真の評価者は、日々生活を共にする配偶者や子供たちであって、その評価者に向き合うことこそ、人生の幸せにつながる。」と言われたことが今、思い出されました。
指摘に感謝。そして、学習力を高め、同じことを繰り返さないようにしようと決意する自分です。😊
理事 五十嵐静雄(タイプ2)