2022年10月末から10日間の予定でタイのプーケットに行きました。
豊かな自然が素晴らしく、海の色がコバルトグリーン&ブルーで特に映画「ザ・ビーチ」有名になったピピ島は絶景でした。
タイではコロナも落ち着いていて入国の際のワクチン3回接種証明のチェックもなく、ホテルやレストランやお店の従業員はマスクをしていますが、それ以外は日本と違ってマスクをしていません。
妻と海外旅行を楽しめるようになったのは定年の年からで、それまではお互いに忙しく海外旅行の余裕がまったくありませんでした。
幸い定年の年はフィリピンへで講演の出張がありましたので、妻を同伴し仕事を半日で終えてそのままセブ島へ行き二人でゆったりと過ごし、シュノーケリングも楽しみました。
この時から夫婦での海外旅行の楽しみを知り、ツアーにも参加しましたが、リゾートでゆっくりするのが好きになってきました。
タイプ8の私とタイプ3の妻は、最初はスケジュールをしっかりたてて効率を重視して色々動いていましたが、だんだんとその場でゆっくりと過ごし、今・ここを楽しみ味わうことに慣れてきました。このことは常に効率を考え行動し、リラックスするのが下手なタイプ3の妻にとっては大変化です。
プールサイドでゆったりと海からの優しい風を感じていたら、ふと昔のことがよみがえってきました。
それは、私が30代初めの頃、仕事の関係で3人のイタリア人のエンジニアが長期出張で私が勤務する工場にやってきたときの話です。
当時私は人事の所属で海外からの出張者の面倒も見ていました。
彼らは毎日定時で帰宅する際に私のところに顔出ししていました。
そして、残業をしている私に、
「どうして毎日残業をしているの? イタリアでは残業はしないし、残業が多いなら人を雇うよ」と問いかけてくるのです。
即座に私は、「そんなことだからイタリア人は仕事が遅いし、効率が悪いんだよ」と言い返しました。
すると、イタリア人のリーダーは私に「人生は何のためにあるか知ってる?」と訊くのです。
そして立て続けに、「人生は仕事をするためにあるんじゃないよ、楽しむためにあるんだよ」とにっこり微笑んで言うのです。
それを聞いた時、私は反論するどころか、“本当にそうだよな~、自分はやるべきことに一所懸命になって余裕がなく、人生を楽しめていないよな~” と、しみじみと感じたのでした。
そして、仕事で会う欧米の人たちは、しっかりとバカンスを家族で取ってゆとりを持つことを大切にしているなあ、自分もそうしたいなあと感じたことが思い出されました。
そして休みの取り方もタイプによる違いがあるかもしれないなと思いました。
最初に頭に浮かんだのが、ワークショップで “南の島で楽しんでいる絵を書く人“ が多いタイプ7です。
しかし、タイプ7の人はそのように思考し行動するのですが、いざ南の島にいくと楽しむというよりは次の楽しみを考えていて、その場に浸って楽しんでいないと聞いたことがあります。
次に浮かんだタイプは、じっと同じ状態であることを好むタイプ9。
しかし、このタイプは南の国に行くのが面倒だと思って自宅でゆったりしているのが好きかもしれません。
タイプ8の人も、やっと休みをとっても、今後やるべきことが頭に浮かんでくるのでゆっくり休めないとぼやいていました。もしかしたら、これはタイプというより国民性、育った環境の影響が大きいのかもしれませんね。
当協会では、プレゼンス(今・ここの状態に意識を置く)ことを重要視しています。
シナジーメイキング研究会でもこの訓練と振り返りを毎回行います。
ついつい私たちは、思考が飛びまくり、あれやこれやと過去を悔み、先々を不安がり、あの人は何故こうなんだろうなど、頭の中はこのような思考で一杯になり、今・ここに意識がありません。
アメリカで行われた心理学の研究によると、私たちは1日に6万回もの思考を行っているそうです。
しかもその6万回の内80%、45,000回は身を守るためのネガティブな思考をめぐらせているとのこと。
8時間の睡眠をとっているとして、起きている時間のうち、3秒に2回は身を守るためにネガティブな考えが頭をよぎっていることになります。これでは、思考は休まらず精神面が疲労していきますね。
そんな時は、先ず、体の感覚に意識を向けて飛び回る思考を体に戻して休ませ、そして、「今・ここ」の状態に気づいていきましょう。
私たちの心は、「今・ここ」を意識しないと無意識に起きる自己防衛反応という沼にはまり込んでしまいます。
そして自己正当化や自己悪化=囚われへの執着になり、相手のことや自分の本当の気持ちに目をむけることができなくなります。
これは、いくら理論を学んでいても無意識の自動反応なので、反応している自分に気づかない限り相互理解へのステップに進めません。
特に、身近な人からの自分への指摘という刺激は強烈で即時反応が起きやすいね。
ふと、こんなことを思考している自分に気づき、そしてその思考を離れて、「今・ここ」の状態を笑顔で味わったのでした。
代表理事 五十嵐静雄(タイプ8)
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