先日ある団体で、自分のキャリアストーリーを話す機会を頂きました。
エニアグラムのワークショップでも、
自分がどんなきっかけでエニアグラムを学ぶようになったか…等
自分のストーリーをお話することは多いのですが、
キャリアストーリーとして考えたとき、
こんなことを思い出しました。
私は、小さい頃からずっと先生になりたいと思っていました。
でも、それが大きく変わったのは、大学時代でした。
家庭教師をしていて、先生の影響がとても大きいことを感じ、
「こんな私が、先生になってはいけない」
と思ったのでした。
もちろん、何か悪いことをしていたわけではないですよ。(笑)
そう思ったきっかけになったことがなんだったのか、もう覚えてもいませんが、
「まだまだ足りないことだらけの自分」が先生になるべきではないと思ったんです。
(さすが、タイプ1! 笑)
それで、取っていた教職課程をやめることにしました。
でも、教育実習はもう母校の高校に行くことが決まっていたので、
先生から「相手先にご迷惑をかけることになるから」と言われ、
断ることができず、そのまま行くことになりましたが…
でも、そんな思いで実習に行くことの方が失礼にあたるのでは?
という思いも抱えていました。
実習先では、結構人気のある先生でした。(笑)
事前に生徒たちの名前と顔写真を頂き、
当日までに、全員の名前が言えるようにしていきました。
(生徒たちがびっくりしてました)
受け持ったのは、高校3年生。受験のクラスです。
(よく、教育実習生に高校3年生をもたせましたよね…汗)
英語だけ、学年をシャッフルしてA~Dという成績別クラスでの授業になっていて、
そのAとDを受け持ちました。
Aクラスは、成績優秀。当然大学受験合格を目指します。
Dクラスは、落ちこぼれ。学校に来て授業を受けさせるのが目的です。
Aクラスでは、教科書ではなく、実践的な問題集を使っていました。
それなのに、予習をしてくる生徒がほとんどいません。
担当の先生が授業をされているのに、聞いているのかいないのか…
それがちょっと納得いきませんでした。
多分、生徒たちに…、そして、何も言わない先生にも…。
で、私がそのクラスの授業を初めてすることになったとき、
あてて予習をしてこず答えられなかったら、その生徒は立たせたまま、次の生徒をあてていきました。
すると、なんと、ほぼクラス全員が立つことに…(^^;
それで、私は、残りの時間、生徒たちに説教しました。
こんなに大学受験に直結する実践的な授業なのに、なぜ予習をしてこないのかと…
教育実習生の分際で。(笑)
Dクラスの落ちこぼれたちは、謹慎中、私たちの控室になっていた会議室で勉強することになっていて、
いろんな話をして、仲良くなりました。
最終日には、担任のクラスでお別れ会をしてくれました。
私が先生にはならないことを伝えると、生徒たちはびっくりしていました。
先生になってほしいと言われました。
こんなに一生懸命な人が、先生にならないの? という感じだったのかもしれません。
最後に生徒たちに向けて歌った長渕剛の「乾杯」が、
いつのまにか全員での大合唱になっていて、とても感動したのを覚えています。
たった2週間の教育実習でしたが、とてもたのしい、良い経験をさせてもらいました。
やっぱり、私は先生という職業が好きだなぁと思いました…
(でも、その時点でも、先生になる気は復活しませんでした)
先日のキャリアについてのパネルディスカッションが終わった後、
40年教師をしていたという方から質問がありました。
「もし、そのとき教師をしていたとしたら、今どうなっていたと思いますか?」
今まで私は、
「こんな自分は教師になってはいけない」と思って教師になるのをやめたけど、
本当はこんな責任感がある人が教師になった方がいいよね…
と思っていました。
でも、その方から質問を受けたとき、
「そうですね。壊れて、ダメになっていたかもしれません。
だから、教師にならなくてよかったです」
と答えていました。
こうでないと!と、一生懸命すぎて、熱血過ぎて、壊れてしまっていたかも…と思ったのです。
タイプ1は、職業で言えば、教師や警察官のようなタイプ。
あまりにはまりすぎて、
タイプ1満載の状態のままでは、やりすぎてしまっていたに違いありません。
どのタイプも、長所・強みがありますが、
それに囚われてやりすぎてしまうと、
健全度が下がり、短所・弱みに転じてしまうのです。
そのとき教師にならなかったけど、
結果的に、今、先生のような仕事をしています。
そして、この仕事がとても楽しいです。
回り道をしたけれど、
回り道には、本当に意味があったと感じます。
理事:にいみ ひろこ(タイプ1)
体験ワークショップは各タイプの特徴を学び、「自己の理解」「他者の理解」をするエニアグラムへの初めの一歩となっています。
ビジネスの場だけではなく、家族・友人・恋人などすべての「人と人」の関わり合いに活用できるエニアグラムですので、ご興味のある方は是非ご参加ください。
詳細・お申し込みは、こちら。 【体験ワークショップ お申込フォーム】