エニアグラムに出会い、自分の行動や思いのバックボーンを知り、自己理解を深めることができた。
※(この話は以前ブログでも綴ったので、ご興味がある方はバックナンバーを参照)
それと同時に自分以外の人は思考の根本が違う場合があることや、
大切にしていることも違ったんだということを改めて理解する機会となった。
その学びから過去の出来事を思い返してみると、「だからか」と腹落ちすることが多かったのだ。
人それぞれに「思い」や「普通」があり、全ての行動にそれぞれの「目的」を持って行動していたのだ。
以前の自分は「普通は」「でも」「だから」なんていう言葉をよく使い、相手が理解できるように説明していたつもりだが、
それぞれの普通や考え、思いがあるのだから伝わらなくて当然だったのだ。
自分の思いや大切にしていることを伝えれば相手に響いて共感が得られると思っていたり、自分が良いと思うことに対し反対の意見をいう人の理解ができなかった。
納得いくまで議論したかったが、それについてくる人は居らず、相手が折れる格好になることが多く腑に落ちないでいた。
当時の私が相手の行動の目的や、思いを聴いて、確認した上で話していたら、もっと違った結果がでたのだろうと今では思う。
私は現在、介護の資格取得支援をする学校で働いている。
先日生徒とこんなやりとりがあった。
入室後から警戒した様子のAさん。
挨拶しても返答がなかったり、休憩時間は直ぐに教室から外に出て、休憩終了後に戻ってくるといった状態で、他者との関係を遮断しているような様子さえあった。
3日目の講習時に担当講師が緊急の対応で遅刻するハプニングが発生。
急遽私が代打で30分程「コミュニケーション」についての授業を行うことになり、担当講師が諸事情で遅れていることを説明し、授業をスタート。
短時間の代打の為、簡単な挨拶ワークをソーシャルディスタンスを確保した上でペアになってもらい実施。
しかし、Aさんだけペアの方に身体をむけず、声をかける時だけ相手の方を見るだけで充分なワークができたとはいえない状況だった。
声を掛けさせてもらうが不満そうな表情をされ、その後も態度が変わることはなかった。
担当の講師が到着し、生徒に「夜勤明けに救急搬送があり、その対応で遅れてしまった」と謝罪。
授業を引き継ぐと、講師が遅刻したことに対し皆の前でAさんが激怒される。
それぞれが時間を作ってこの研修に集まっているのに、担当の講師が夜勤明けであることやその業務の延長線上で遅刻したことに憤慨される。
おっしゃる通りな為、担当講師と私から謝罪する。
その場は一時治るも、ピリピリした状況は続く。
後日私が担当となった授業の休憩時間に、「教室の掃除が行き届いていない」「感染対策が不充分」と再度憤慨される。
何を根拠に言われているのかわからなかった為、話を聞くと講師の遅刻の件や感染対応の件だけではなく、それ以外のことも矢継ぎ早に言われ、
私の対応や私の授業に対する不満など思いの丈をぶつけてこられる。
最後まで話を聞いた上で、こちらに不備があった件については謝罪し改善に勤めることを約束。
それ以外の件についてはAさんの主観が強いものだったため、対応できない理由を説明し同意を求める。
本人は生徒を代表して言っているつもりのようだが、他の生徒は毎回のAさんの言動に冷ややかな反応を示していた。
休憩時間も過ぎたため、他の生徒にも影響が出るので従業を再開して良いか確認し、本人も最後まで授業を受けると意思表示された為、授業を再開する。
重苦しい雰囲気でスタートしたが、他の方と同じように声をかけ授業を進めていった。
授業終了後、生徒の皆さんに対し、改めて学校の対応に不備があったことを謝罪。
引き続き改善に勤めるので、気になる点などあったら今後も教えて欲しいと伝える。
するとAさんも立ち上がり、「自分も大人気なく感情的になって、皆さんにご迷惑をおかけしました」と謝罪される。
その後は授業中のピリリとした空気感もなくなり、Aさんも挨拶をしてくれたり、生徒間のやりとりも自然に発生し、一気にクラスの雰囲気が良くなったのだった。
以前のように相手を理解しようとせずに、相手の思考を先読みして、「でも」「だから」「普通は」なんて言葉を使いながら説き伏せるように話していたら、
こうはならなかったであろう。
自分と相手との違いを認識し、相手の目的や思いを一旦受け止め、その上で話をしたことで事態が好転したのだ。
本人の中で気に入らないと思っていたことが、相手の話を聞くことで初めてわかり、さらには言いたいことを全て言ったことでガス抜きの効果もあったと考える。
相手の思いを知ったことで、こちらの対応も相手に即した対応をすることができた。
コミュニケーションをとる上でまずは自己理解を深めること。
そして他者理解を深めることの重要性をエニアグラムを通して改めて学ぶことができた。
あなたもエニアグラムを学ぶことで「頭で理解している」つもりだったことが、実体験へと繋がる気づきができるかもしれない。
パートナー会員 原(タイプ6)