橋本です。
3回目の今回は、ジョージ・ハリスンとリンゴ・スターのエニアグラムのタイプについて語ってみたいと思います。
3.ジョージ・ハリスン=タイプ1「理想タイプ」(Perfectionist)
タイプ1の特徴とは、完全に向かって努力する人、不完全さを避ける人です。
なぜタイプ1と判断したかは、ギタリストとして、自分が目立とうとするのではなく、バンドとして、より作品を良くすることを目指すためには、どのようにすれば良いかという観点から演奏をしていたという点です。
そのためには納得のいかない場合には何度も演奏のやり直しをすることも多く、ギターソロなどを他に譲ってもよいという考えがありました。
具体的には、ジョンの作品「涙の乗車券」や自作の「タックスマン」などでは器用なポールに、また代表的な作品のひとつ「ホワイル・マイギター・ジェントリー・ウイープス」では、メンバーではないエリック・クラプトンに、リードギターを任せたという有名な事実があります。
こうした、自分にとって理想の音楽世界を追求する姿勢は、堅実なテクニックを持ちながらも、派手にギターを弾くというのではなく、ビートルズの音楽の完成度の向上を追求する立場でのギタリストと考えると良く理解できます。
また、巨万の富を得て、欲しいものは何でも手に入る生活ができた半面、どこでもスターとして衆目の目にさらされることに疲れ果て、インド音楽をバンドに取り入れたことをきっかけに、ヒンズー教の世界観や禁欲的な修行に興味を持つことで、哲学的な発言をするようになりました。
そうしたジョージの、自我を見つめる内面を垣間見ることのできる代表的な作品に、“ウイズインユー・ウイズアウトユー”があり、以下がその詞の一部です。
僕たちは語り合っていた すべての人々を包み込む空間において
それから 幻想の壁の陰にじっと身を隠した人々について
彼らは真実を見つめようとしない―とっくに手遅れなのだ
息絶えるときになって気づいても
(中略)
すべては己の内にあることを認識せよ
誰も他人を変えることはできない
自分がいかに小さな存在かを知れば
生命の泉はこんこんと湧き出す―君の内側に そして君の外側に
4.リンゴ・スター=タイプ9「穏健タイプ」(Peacemaker)
タイプ9の特徴とは、ゆったりとして平和を求める人、葛藤を避ける人です。
なぜタイプ9と判断したかというと、何よりも他の個性的なメンバーとの対立・葛藤を解消する融和剤のような立場であったということがあげられます。
前述のように、リンゴはリバプールでの格上のライバルバンド「ハリケーンズ」のドラマーだったが、ジョン、ポール、ジョージの3人によって引き抜かれ4人目のメンバーになりました。
その理由は、派手なドラマーではなかったが、メンバーが期待するドラミングのできる力量があったことはもちろん、それに加え、個性的なメンバー同士の間での調和・融和を図ることができる人間性があったことも大きかったと言われております。
他のメンバーの間で意見が対立したときに仲介役を務めたり、自分の出番は無くても長時間待つことも多く、その人間力も含め、ジョージと同じように、ビートルズとして他に代えがたい存在であったと言えます。
加えて、リンゴのイメージに合わせて提供された、あるいは自作の曲の持つ穏健・平和な世界観があります。
数少ない自作の作品「オクトパス・ガーデン」の詞の抜粋は以下です。
海の底に行って
タコくんの家の庭でひっそりと暮らしたい
彼は僕らの心中を察して快く招き入れ
自宅の庭でひっそりと暮らさせてくれるだろう
そしたら 僕は友達に会いに来てもらって
タコくんの家の庭を見せてあげるんだ
以上、3回シリーズでメンバー別にエニアグラムのタイプを見てきましたが、ここでもう一度バンドの基本的な関係性を振り返ってみたいと思います。
「ジョンに対してのポールとジョージのあこがれと、それを見守るリンゴ」と書きましたが、バンドの二本柱であるジョンとポールについては、ジョンの独創性にインスピレーションを得たポールが、それを具現化するための目標を設定し構想をまとめる。
そしてジョージが全体像を見ながら完成度を高め、リンゴがスムーズに実現できるよう進める、といった構図となります。
このようにパーソナリティの違いを活かす基本形がベースにあり、かつ音楽的・人間的成長が見事に相俟って化学反応を引き起こしたことで、ビートルズは傑出したバンドになった、エニアグラムのタイプが違う4人だったからこその、違いを活かしあう力(シナジー)が生じ、唯一無二の存在となれたと、私は考えておりますが、如何でしょうか?
なお、メンバーの4人は、センター別に見ますと、ハートセンターとガッツセンターが2名ずつですが、
ビートルズが世界に飛躍することができたことに欠かせない人物として、プロデューサーのジョージ・マーティンとマネージャーのブライアン・エプスタインがおります。
この二人のそれぞれのエニアタイプは7と6でヘッドセンターと推察されますので、メンバーと合わせると3つのセンターに2名ずつという、とてもバランスの良い組み合わせだったというのは、うがちすぎでしょうか?
私は、このようにロックバンドとエニアグラムという観点から楽しんでみたのですが、
他の不動のメンバーによるバンド、例えばブリティッシュ・ロックでは、レッド・ツエッペリン、クイーン、エマーソン・レイク・アンドパーマーなども、各メンバーが異なるエニアタイプだったのではないかという妄想を膨らませてしまいました。
今回はビジネスエニアグラムからは離れた話題となってしまい、あくまでも私見ですが、ロックバンドであっても、組織論という観点からは興味深く考察できると思いましたので、紹介させていただきました。
理事 橋本(タイプ4)
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